小学校の英語|評価と筆記単元テストの中身
2020年度は英語の教科化やプログラミング教育など大きな改革がスタートした年でしたが、コロナによる長期にわたる休校、それに伴い学習の遅れや学習機会の格差、オンライン授業の実施の有無などが話題に。
また、学校再開後も密になることをさけるため、学級懇談や家庭訪問なども中止している学校も多く、高学年(小学5・6・年生)の英語は評価対象になったことを知らないという声も。
そこで、ここでは最初に小学英語のポイントをおさらいしながら、実際に保護者の方が気になる
- どのように成績(評価)がつくのか?
- ペーパーテストはあるのか?内容は?
といった、小学英語ではどういったレベルが求められているのかといった見えにくい部分について、我が子が通う小学校を例にクリアしていきたいと考えています。
まずは一読を!
本記事の内容は2020年9月時点での情報です。
使える英語のファーストステップ「聞く・話す」が小学英語のポイント
「使える英語」を身に着けるべく、小学校から英語の授業が本格的にスタート。
中学に進むと使いながら身に着けていくということで、英語の授業は英語でおこなわれます。
小学校ではその前段階として、文法的なものや英単語が書けるといった暗記を中心としたものではなく、英語を聞き取る力、そして抵抗することなく英語を話せるようなカリキュラム内容に。
つまり、「耳から聞いて話す」というプロセスを重視した内容に。
幼児が日本語(母国語)を覚えていくステップと一緒なのです。
ここでは、まず小学英語のポイントを簡単に整理しおさらいしていきます。
- 小学英語は「聞く」「話す」がメイン
- 小学3・4年生→外国語活動がスタート
- 小学5・6年生→「英語」として評価対象に
小学英語は「聞く」「話す」がメイン
英語学習と聞くと、
・英文法
・英単語の読み、書き
といった暗記を中心とした内容を、多くの保護者方はイメージしがちではないでしょうか。
しかし、小学校の英語では中学英語の下準備として、英語に慣れることを目的とした「聞く」「話す」の体験に重きをおいたカリキュラムに。
小学5・6年生になると、身近なテーマを題材に、英語では日本語と語順が違うことをはじめとする英文法のルールも意識した「書く」「読む」の授業も含まれます。
小学3・4年生→外国語活動がスタート
小学3年生から、英語に触れるという名目で「英語に触れる」時間が設けられます。
英語への抵抗をなくし、楽しみながら英語に触れることができるよう、ALTの先生によるネイティブの発音を聞く機会があります。
その他にも、文化に触れる時間として、ゲームや歌(フレーズ)といった内容が多いのも特徴です。
ただし、小学3・4年生は綜合学習の一部として扱われるため「英語」としての評定はありません。
小学5・6年生→英語として評価対象になります
小学5・6年生の英語は週に2コマ設けられ、国語などの教科と同じように授業時間(年間カリキュラム)があり評価対象になります。
これまでの「聞く」「話す」に加え、「読む」「書く」が加わった4技法に。
「読む」「書く」がプラスされますが、あくまでも小学英語は中学以降の下準備。
そのファーストステップとして「聞く」「話す」にポイントをおいた内容になります。
となると、
・教師は何をみて成績をつけるのか?
・単元(ペーパー)テストはあるのか?どんな内容になるのか?
また、
・読む、書くはどの程度まで求められるのか?
といった疑問が出てくるのはないでしょうか?
次からはこうした疑問を解決すべく、授業内容やテスト内容、さらには教師に確認した内容も含めて紹介していきます。
【小学校】英語の単元テスト=評価ではない|教師は何をみて成績をつけるのか?
まず、小学校でおこなわれる英語の単元テストの成績=評価ではなく、いくつかの評定項目があり複合的に判断されることになります。
ただし、項目の重み付けや詳細内容は各教育委員会および学校によりことなりますので、ここでは、着眼ポイントの項目のみを参考にしていただければと思います。
【話す】→「対話」と「発表」の2つの視点
言語である英語は、「話す」「聞く」「読む」「書く」この4つの技法がポイントになります。
また、英語「話す」部分については、正しく発音できるかどうかよりも
- 対話→相手とのやり取り
- 発表→自分の言いたいこと伝える
この2つの視点が設けられ、4技法5領域が学習範囲となります。
4技能5領域の評価ポイント
→クラスメートとの対話(ロールプレイ)ができているか?
→フレーズを使って発表できるか?
・【聞く】→ 単元(ペーパー)テストを通して聞きとる力をチェック
・【読む】→ 課題+単元テスト
・【書く】→ 課題+単元テスト
それぞれについて、娘の学校の授業の様子やテスト内容、さらに担当教師に確認した内容をもとに【話す】について以下にまとめます。
また、単元テストが関係する「聞く」「読む」「書く」の3つの内容については次項で紹介します。
【話す】クラスメートとの対話
英語の授業では、ネイティブスピーカーのまねからスタートし、クラスメートと二人1組のやりとりの練習をする練習が取り入れられています。
あらかじめフレーズを使って疑似的に準備することで、話す自信につなげる目的があります。
なお、ここでは英語の発音や英文法があっているかといったところではなく、
・積極的にとりくんでいるか?(声の大きさや取り組み方)
・(学習した)フレーズを使ってやりとりができているか?
といった、「やってみよう」と部分を重視(評価)しているとのことです。
【話す】フレーズを使った発表
教科書の内容に沿い
・自己紹介
・日本の文化の紹介
・将来の夢やなりたい職業
などのテーマごとに表現を学習します。
その中で、場面に応じた英語表現の定着をはかり、英語で自分のことを表現(発表)できるようにすすめていきます。
練習を含めチェックの方法は、今回紹介する限りではありませんが、例えば、娘のクラスでは、
→テーマに合わせて各自発表内容を決める(書く)
→教師が一度発表内容と発音を確認したのちに、繰り返しスピーキング練習
→後日、教師の前で発表
といった形で段階的にすすめています。
なお、上記でテーマに合わせて各自発表内容を決めるとありますが、例文をベースに自分の発表内容に合わせてキーワードとなる部分の英単語を置き換える程度のアレンジです。
教科書には、例文だけでなく、関係する英単語とイラストとセットになっているので、自分なりのフレーズも作りやすくなっています。
次に、単元テストについて紹介します。
この部分は、一番気になるという方も多いところではないでしょうか。
小学校の英語|単元テストあり!聞き取りテスト?筆記テスト?その内容とは?
結論からいうと、国語や算数とおなじように英語でも単元ごとにペーパーテストが実施されます。
では、「聞く」「話す」をメインにした学習内容でどういった問題が出題されるのか?
そこで、先日の単元テストの内容も交えながら紹介します。
大部分は聞き取りテスト|ネイティブの発音が2回流れます
ペーパーテストの内容をみてみると、8割強は聞き取りテストでした。
授業では、教科書会社が用意した補助教材を使い、ネイティブスピーカーの発音を耳にしています。
テストも同じように、あらかじめ作成されたネイティブスピーカーの音源を使って聞き取りテストを実施します。
具体的には、
- 問題文の説明などの進行部分は日本語
- 英語の部分についてはネイティブが担当
- 問題(英語の部分)については2回(※)流れる
といった形になります。
※通学中の小学校が採用した教材の場合
【メモ】
テストの返却時に模範解答が配られます。
その紙面上に2次元バーコード(QRコード)があり、コードを読み取ると、テストの時と同じ音声が流れます。
家庭での復習にも活用できます。
小学校の英語|単元(ペーパー)テスト内容の一例を紹介
ケース1:聞き取りテスト
会話や単語を聞いて話にあう内容(イラスト)を選ぶテストです。
テスト内容の大部分がこの方式で、単語(1ワード)のみのものもあれば、会話調のものも。
・天候
・月
・季節
・日本の行事
・身の回りのもの
・国
・スポーツ
など
ケース2:読む問題もあります
2~3問程度ですが「読む」の問題も出題されています。
内容は、紙面上の英文(1~2文)を読み、内容に合ったイラストを選ぶといったものです。
なお、英文を読むといっても、文法や単語にフォーカスした内容ではなく、地名や食べ物の名前などローマ字で記載されたものがヒントとなり正解することができるレベルでした。
この内容からいっても、小学校では英語に慣れること、さらに音と文字を結び付ける準備期間といえるでしょう。
ケース3:書く → なぞり書きや書き写し
小学校では英単語や英作文を書く機会はありますが、つづりを覚えて英単語をテストしたり、詳しい英文法について問われたりといった問題ではありません。
なぞり書きもしくは書き写しする問題が数問出題される程度です。
学習が進むにつれ少し難易度はあがるかもしれませんが、小学3年生でならうアルファベット・ローマ字が正しく読み書きできればそこから正解可能な内容と言えるでしょう。
こうした部分からも、読む・書くという部分は中学英語に向けた1つの準備段階ということがいえるのではないでしょうか。
正しい発音かどうかの判定はなし
小学校では「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技法を学習することになります。
自分から話す・話すことになれるという部分にフォーカスしています。
ですから、通信教育などでは実施されているような正しい発音であるかどうかの判定(評価)は、現在のところ小学校では実施されていません。
まとめ
最後に、小学校の英語関係についてまとめます。
将来的に「話せる」「使える」を目指し、小学校でも英語を導入しました。
その小学英語の3つのポイントは
- 小学英語は「聞く」「話す」がメイン
- 小学3・4年生では外国語活動がスタート
- 小学5・6年生では「英語」として評価対象に
というところでした。
また、小学校では話せる英語の第一ステップとして、
- クラスメートとの対話(ロールプレイ)ができているか?
- フレーズを使って発表できるか?
英語で表現する力(話す)の部分をチェックし、単元テストを通して(必要な情報を)聞き取る力、そして「読む」「書く」を含め、4技法5領域の準備を進めていきます。
中学では英語での授業もありますし、扱う単語の数も増えるため、その入り口である小学校でつまずかないことが大切ではないでしょうか。